睡眠中毒

寝る、という行為がとてつもなく勿体無いと思うのは自分だけだろうか。

 

寝ている間、当然の事ながら何も考えず意識を手放している。

よく死んだように眠ると言うが、寝ている間には生を実感していないから実質''死んでいる''と言っても過言ではないだろうと僕は思う。

 

僕は何かの事に向かって真剣に考えて想像するのが大好きだ。

だからこそ、考えている時こそが自分が''生きている''と実感するのだ。

だが、寝ている間には何をしようとも睡眠に脳が支配され思考が停止してしまう。

そんな時間が勿体無いとは思わないだろうか。

 

曲を作ることもそう、次は何の動画を見ようかもそう。

人は起きている以上常に何かを思考し行動をする。

例えば僕が書いた曲。

一番最初に書いた曲のからっぽという曲は地下鉄を待ってる時に生まれた曲だ。

融けた日々という曲だってそうだ。

当時一緒にいた女の子との何気ない日常を書いただけだ。

一見すると何もない無意義な行為だとしても新たな発見や閃きが生まれる可能性だって0じゃない。

 

だが、人間は寝ずには生きられない。

何より誰しもが眠くなれば寝たいと思う。

なぜなのか。

それはきっと''睡眠''という名の快楽に溺れているからなのではないだろうか。

人々が常識的かつ日常的に繰り返している。

副作用のないドラッグのようなものだ。

ある意味麻薬なんかよりもっとずっとタチが悪い。

 

寝てないことを自慢するやつがいたとしよう。

そんな話を聞いた100人のうち恐らく90人は馬鹿だなと思うだろう。

残りはそいつより寝てないか話を聞いてないやつか心の優しい聖人君子だ。

だが、大半の人は寝てない人を悪だと捉える。

寝るという行為は生を捨て快楽に溺れているだけだというのに。

寝てない人を悪だと捉えるのは人に薬物を勧めるのと同義なのではないだろうか。

少なくとも寝てない人は起きている間思考し何か生み出す可能性が寝ている人よりあったのだ。

寝ている人より生きていたのだ。

死んでいた人間が生きていた人間のことを馬鹿にするのはやめてほしいと思う。

 

とは言っても、もちろん寝なさすぎも効率を下げるだけだからよろしくない。

適当かつ限界まで睡眠時間を減らしていけば何かを生み出す可能性が高まるかもしれない。

 

そう思いつつ僕は今日も眠りにつく。

きっと僕も君たちと同じ睡眠中毒者なのだ。